JAEA  国立研究開発法人
日本原子力研究開発機構
タンデム加速器,タンデムブースター english page日本語ページ
タンデム加速器


タンデム加速器とは 

 タンデム(TANDEM=縦に馬を二頭ならべる馬車)加速器とは、ペレットチェーンなどに電荷を乗せて高電圧端子(ターミナル部)に運び上げ高電圧を発生させてイオンを加速する装置で、一つの高電圧で加速イオンの電荷を負から正へ変換して2回加速する装置を総称してタンデム加速器といいます。
 負イオン源では原子に電子を結合させ負イオンを生成します。これを加速するため超高真空に保たれた初段加速管に入射し負イオン加速管入口まで到達させます。
 負イオン加速管まで到達した負イオンは、正の高電圧端子にむけて加速されます。
 高電圧端子に到達した負イオンは電子ストリッパー(炭素薄膜または窒素ガス層)で多数の電子がはぎ取られ正イオンに変換後、正イオン加速管で再び加速され高エネルギーになります。
 タンデム加速器から得られるイオンビームは、そのエネルギー、イオン種、量を正確に制御できるため精密な原子核物理、物質科学などの研究に利用される重要な役割を担っています。


タンデム加速器のしくみ

<加速されているビームの状態>
青色の丸 負イオン 赤色の丸 正イオン 紫色の丸 ブースターで加速された正イオン


タンデム加速器のしくみ

タンデム加速器 絶縁カラム
絶縁カラムを見上げたところ
(加速器圧力容器内部)


タンデム加速器の主要諸元

圧力容器 直径8.3m、全長26.6m 絶縁支柱 直径2.74m、全長13.72m
高電圧端子 直径3.51m、全長4.47m 絶縁ガス 純SF6ガス、6.7kg/cm2(絶対圧)
荷電装置 2連ペレットチェーン 電圧分割 抵抗器方式
動力伝達 回転シャフト(アクリル製)方式 ターゲット室 6室
ビームライン 12本
ブースター用  3本
加速可能イオン 水素からビスマスまで 端子電圧 2.5〜19MV
負イオン入射エネルギー 50〜350KeV ビーム電流例 陽子  3pμA
炭素、フッ素 0.5pμA
アルゴン、キセノン 0.1pμA


タンデム加速器のビーム加速条件
 加速イオン種毎のエネルギー及び電流量の条件は以下の通りです。



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